2020/09/26 00:22




2003年公開のアメリカ映画、Lost in Translation(ロストイントランスレーション)。
主演は Bill Marley(ビル・マーレイ)と Scarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)。数々の名作に出演している二人ですが、意外とありそうでない組み合わせが見事なキャスティングでした。監督は「Virgin Suicide(ヴァージン・スーサイズ)」や「Marie-Antoinette(マリー・アントワネット)」で知られる、Sofia Coppola(ソフィア・コッポラ)です。



舞台は東京、仕事で訪れた落ち目のハリウッドスターと、旦那さん(カメラマン)の仕事についてきた人妻がたまたま出会い、言語のわからない異国の地で、様々なシチュエーションを通してお互いを理解しあっていくというお話。
見覚えのある場所や建物がたくさん出てきたり、また著名な日本人のカメオ出演など、日本人だけがわかる楽しみ方もあって興味深いです。そういえば、つい最近映画の中の1シーンが日本のとあるドリームポップバンドのMVでオマージュされていました。



またソフィア・コッポラ作品の楽しみの一つとして忘れてはいけないのが、センスのいい音楽の数々。どの作品に関しても言えることですが、作品の世界観を最大限に引き出す選曲はピカイチです。My Bloody Valentine(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)、The Jesus and Mary Chain(ジーザス&メリーチェイン)、Phoenix(フェニックス)に Air(エール)、はっぴぃえんどまで様々。My Bloody Valentine の Kevin Shields(ケビン・シールズ)が個人名義で参加もしています。サウンドトラックもリリースされていますがおすすめの名盤です。個人的にも、映画にとっていかに音楽が大事かを思わせてくれた作品でした。



Lost(迷子、道に迷った)、Translation(翻訳、通訳)というタイトルの通り、違う国にいるという目線、主観が大事になってくる映画であること。日本が舞台ということもあり、日本人である自分達と、海外の人のこの映画の観かた、観えかたは確実に違ってくると思います。
あくまで外から日本を見た目線で作られていて、監督自身が日本に滞在していた時の経験も含まれていることから、 海外の人たちから見た日本や日本のイメージ 、また知らない土地へ身を置かれた時の孤独感やワクワクが、繊細に表現されている映画だと感じました。その感覚を大事にするため、日本以外の国で公開された際、日本人が話すセリフには一切字幕を付けなかったそうです。そのあたりの演出もさすがだと思います。



我々日本人からすると約20年前の日本に懐かしさを感じたり、今の日本との違いを探してみるのにも良さそうです。特にアップダウンのあるストーリー展開ではありませんが、そこが妙にリアルで不思議な感覚になる名作。ちなみにアメリカに住んでいた時の映画好きの友達連中にもなかなかの高評価でした。



ソフィア・コッポラ監督の最新作、「On The Rocks(オン・ザ・ロック)」が10月2日より全国公開されます(10月23日より Apple TV+で配信)。主演がこのブログの映画と同じ、ビル・マーレイ。また最近では「Mid90s(ミッドナインティーズ)」や、「WAVES(ウェーブス)」などの名作で今最も勢いのある制作会社「A24」の配給ということで、個人的にもかなり楽しみです。この公開を記念して、10月9日から3日間、池袋の新文芸坐で「Virgin Suicide(ヴァージン・スーサイズ)」と「Lost in Translation(ロストイントランスレーション)」の2作が35mmフイルムで上映されます。ソフィア・コッポラ監督を代表する2作。1枚分のチケット料金(1450円)で2本の映画が見れる素敵な企画なので、お好きな方にはぜひおすすめです。僕は行きます(笑)